眼内レンズとは

眼内レンズは半永久的に使用できます

眼内レンズは手術で取り除いた水晶体の代わりに、ピントを合わせる働きをするレンズです。水晶体がもともとあった位置に挿入するため、異物感はなく取り外しをする必要性もございません。一度挿入すれば、半永久的に使用することができます。

フォールダブルレンズ(折りたたみレンズ)とは

アクリルでできた眼内レンズは柔軟性があり、折りたたんでも元に戻る性質があります。このためレンズを折り曲げて小さな傷口から眼内に挿入することが可能です。
傷口が小さいと、手術による乱視が出にくい、傷が治りやすい、ばい菌などに感染しにくい等のメリットがあります。
また、アクリル以前に開発されていたシリコンレンズより、術後の後発白内障(術後しばらくしてレンズを入れている眼が濁る現象)が少ないほか、糖尿病などの基礎疾患がある方にも使いやすくなり、最近の眼内レンズの主流となっております。
当院でも全例アクリルレンズを使用いたしております。

当院で使用する眼内レンズの種類

Model XY1:Vivinex isert(HOYA株式会社)

疎水性アクリル素材「Vivinex」を用いた1ピースの非球面レンズで、PCO抑制に寄与し、グリスニング抑制への期待もされています。
極小切開に対応した専用のiSertプリロードシステムを採用しており、再現性・操作性に優れたプリロードシステムやスムーズな操作を可能とする人間工学に基づいたデザインになっています。また、レンズデザインにも特徴があり、シャープエッジ・光学部及び支持部の側面にすり仕上げを付与・独自の非球面設計[Aspheric Balanced Curve(ABC)デザイン]といった特徴があります。

光学部直径 6.0mm 全長 13.0mm
ループ材質 紫外線吸収性黄色軟質アクリル樹脂(着色疎水性軟質アクリル素材「Vivinex」)
パワー範囲 +6.0〜30.0D(0.5Dステップ)
角膜切開創 2.0mm〜

Model 355T3/355T4/355T5:iSert Micro Toric Aspheric 1-pice Hydropobic Acrylic(HOYA株式会社)

トーリックIOL搭載の極小切開対応プリロード
強角膜2.2mm〜/角膜2.4mm〜対応しており、3種類の円柱度数をラインナップ。
特徴のあるレンズデザインでHOYA独自の非球面設計(ABCデザイン)により、ブルーの支持部先端により視認性を向上させます。さらに、シャープエッジの採用もしています。

光学部直径 6.0mm 全長 12.5mm
ループ材質 PMMA
パワー範囲 +10.0D〜+30.0D(0.5Dステップ)
角膜切開創 2.4mm〜

アバンシィ:眼内レンズ(興和株式会社)

均一性の高いレンズ材料でグリスニングを抑制。独自のキャストモールド製法により、安定で均一性の高い材料重合を実現しました。光学部と支持部の材料特性を活かしたレンズデザインで、光学部と支持部の良好なバランスにより、眼内での光学特性を維持します。
嚢と支持部の接触角度が広いので、嚢内の優れた安定性を示します。
丈夫でしなやかなPVDF(ポリフッ化ビニリデン)製支持部は、強膜内固定にも適しており、正常ヒト水晶体に近似したNaturalタイプのYellowレンズです。全パワーでほぼ一定の分光透過率です。

光学部直径 6.0mm 全長 13.0mm
ループ材質 ポリフッ化ビニリデン
パワー範囲 +6.0〜+9.0D(1.0Dステップ)
+10.0〜+30.0D(0.5Dステップ)
角膜切開創 -

LS-313 MF15:レンティス コンフォート(参天製薬株式会社)

レンティスコンフォートは、独自の+1.5D加入のDual Monofocal Design(異なる2つの単焦点機構)がもたらす「良好な遠方・中間視力」「不快な自覚症状の抑制」「焦点深度の拡張」により、単焦点IOL適応患者様のより快適な生活シーンに貢献します。また、「焦点深度の拡張」は術後屈折誤差の影響を低減させることにも寄与すると考えられます。

光学部直径 6.0mm 全長 11.0mm
ループ材質 架橋アクリルエステル共重合体(紫外線吸収剤含有)
パワー範囲 +10.0〜+27.0D(0.5Dステップ)
角膜切開創 -

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